1941年、ニューヨークにてWillie "the Lion" SmithとCharlie Shaversという豪華メンバーと共に録音されたこの作品は、ベシェが得意とする優しく落ち着いたメロディがゆったりと流れる名曲。
静かな朧月夜、散歩に出た。
街燈もない静かな田圃の畦道を一人歩くと、そよ風に吹かれて蛙の合唱に包み込まれた。
近くでは小川がとぼとぼと流れていき、どこかで鳥が眠たげに鳴く声が聴こえた。
まだ稲の植えていない田圃のまっすぐな水面に、遠くの家の灯りと黒い山の影が映り、そのまま吸い込まれそうに見えた。
ふと、このまま何処までもぐんぐん歩いていける気がした。
でもそれは、自分でそう思いたいだけなのかもしれないな、と思った。
蜜柑色の月が、淡い夜空の雲からのんびりと顔を出した
前には、静かな夜の畦道がぼんやりとまっすぐに伸びていた。